【麻がるエッセイ】40年ぶりの再会でひとり言
ひょんなことから、高校卒業以来まったく会っていなかった同級生と会うことになりました。
同窓会にも顔を出さなかったから、ほぼ40年ぶり。
間に入ってくれた友達には、心の中で深々と一礼。
せっかく会うのだから、沈黙だけは避けたい。
そこで私は、卒アルと当時のスナップ写真をかき集め
“懐かしセット”を作って持参しました。
当時流行ったなんちゃって聖子ちゃんカットに笑い
名前を誰も思い出せない謎の先生を発見してまた笑い
懐かしセットは予想以上に良い仕事をしてくれました。

……でもね。
そんな小道具がなくても、実はすごく楽しかったんですねー。
年齢的に、親の介護や家族のあれこれなど話題は尽きない。
それは「同級生だから」というより、単純に2人が“居心地のいい人たち”だったからなんだと思います。
きっと2人が同級生じゃなくても、職場でも、子どもの学校でも、ご近所でも、やっぱり私は「仲良くしたいなあ」と思っただろうな、って。
踏み込みすぎず、離れすぎずの絶妙な距離感。
年齢を重ねると人間関係って複雑に思えていたけど、
実は複雑にしていたのは“自分”だったのかも、なんてふと思いました。
LINEを交換することもなく、
「来春のイベントでまた会おうね〜」とざっくり約束して、あっさりと「じゃあね〜」で解散。
願わくば、友達も「今日、楽しかったな」って
帰り道でちょっとでも思ってくれていたら嬉しいなあ。
あなたにも、“今どうしてるかな”と浮かぶ人がいますか。
この文章が、そんな誰かをそっと思い出すきっかけになっていたら嬉しいです。
ではではゆるりと過ごして
また次のひとり言で